第21話
「ーーでね、その時の咲坂と言ったらもうねぇ……!」
ダンスのキレがすごかった、耳掛けがエロかった、笑った時の少年感がすごい、かわいい、かっこいい、あの曲のフリのあれがいい。
目の前の彼女が語っているのは、男性アイドルグループ『lemontea』のメンバー(担当カラーはブルー)咲坂伊織のことである。
私の親友、折木雛はアイドルが好きだ。『lemontea』と同じ事務所のアイドルにも好きなアイドルがいるとかで、私はよくアイドルの話をされる。コンサートが終わったあとの登校日だとか、音楽番組の翌日とか。メールで語られることも多い。
かと言って、面食いというわけでもない。和泉くんに興味はあるが、それはあくまでも私と仲がいいからだ。
男女の恋愛ごとについてよく食いついてくる。私と和泉くんがそういう関係ではないと知っていながらも、発展したかどうかを聞かれていた。
「で、最近の和泉は?」
今までは普通に仕事の内容を話していたが、今回ばかりはどう言ったらいいのか。
まさか、キスされたなんて言えるわけない。
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