第12話
学校から一旦帰宅し、ラベンダー色のリボン付きブラウスと黒のロングスカートへと着替え、約束の18時ーーの30分前に着くようにスタジオに向かおうとした。
……のだが。予定外のことが起きた。
インターホンが鳴ったので画面を確認すると、そこには白のポロシャツに黒のチノパンというラフな私服姿をした和泉くんが俯いているのが写った。
今日はずっとこんな感じだな、とその表情を見て思う。
インタビューのせいなのか、それとも昨日目の前で私がぶっ倒れたからなのか。それ以外なのか。理由は分からない。
それに、今日は話しかけても「そうですか」「わかりました」なんて敬語の数文字ばっかり返された。こんな調子でインタビュー大丈夫かな。
急いで、財布やスマホを入れたバッグを持ち、鍵を開けると、和泉くんが「行きましょう」と言って矢継ぎ早に歩き始めた。
数学的に整えられたのかと思うくらい綺麗な横顔を見て不安になる。
「和泉くん、そんなに急がなくても……」
「早くついて損はなしですよ」
「…………」
早起きは三文の得みたいな感じで言われても。
掴めない和泉くんのペースについていけないまま、スタジオについた。
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