第41話

空はいつの間にか、赤みを帯びてきていた。

あたりは急に冷え込み、風が吹き始めている。

頭痛がまた青木を襲った。

しかし、痛みと耳鳴りに耐えながら青木は続けた。

「友人が一人死んだんです。自殺ですが、きっとこのキノコのせいなんです!この協会についても、その友人からの遺書、メモで知って・・・キノコについて説明できないというのであれば、せめて、この協会のシステムとか、あるいは、このキノコについての情報をどこで得られるかとか、そういったことでもいいんです!何か教えてください、お願いですから!」

「当会のシステムについては、説明会にてお話ししております。説明会への参加につきましては、紹介の方から、優先的に行っておりますが、只今、予約がいっぱいでして、すぐにというのは無理になっております。私共が説明できるのはここまでです。」

「じゃあ、どうしたら予約ができるんですか?紹介順って、どのくらい待たされるんですか?もっと、何か・・・」

なおも粘ろうとする青木であったが、中から出てきた、真っ白な警備服を来た二人組に、列の外へと連れ出されそうになった。

「何するんですか!」

「規則ですから。」

警備員すら、受付の人と同様、機械的に繰り返すばかりだ。

 ここまで来て、諦められるわけがない。青木は暴れ、抵抗を続けた。


もみ合いになり、一人の手が青木の額のキノコに微かに触れた瞬間だった。


プチプチ・・・


青木の耳に、何かが千切れるような音が聴こえた。

それと同時に、額のキノコがむず痒くなった。

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