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第39話
見ると、入り口らしき場所に向かって、列ができている。青木は少し様子を見ていたが、そのままでは何もいい情報が得られそうになかったので、最後尾に並んだ。
それから、しばらく経った。
列はなかなか進まない。何時だろうと時計を見ると、この場所に着いた時刻のまま止まってしまっていた。ケータイの電源もいつの間にか切れてしまっていて入らない。頭痛が一層ひどくなってきていた。耐え切れず、しゃがみ込んで目をつぶった。
「あなたの番ですよ」
突然、声をかけられ、はっとして立ち上がった。
山のように青木の前にいた人達はいつの間にか一人もいなくなっていた。入り口の近くに簡素な受付が設置されており、白ずくめの人達が並んでいる。協会の人なのだろう。
「会員の方ですか?」
「あ、いえ・・・」
「ご紹介ですか?」
「え?・・・あ、はい、たぶん・・・」
よくわからないままに、青木は中島の遺書らしきメモと、男から渡されたメモを出して見せた。
「これって、紹介になるんでしょうか?」
「少々お待ちください。」
「あ・・・はい。」
青木からメモを受け取ると、その人は入念にチェックを始めた。
そして、何か難しい顔をして、受付にいる他の白ずくめの人と相談を始めた。
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