第16話

青木は、優美の涙を見ながら、静かに決意をしていた。

青木にとっても、中島は家族のようにかけがえのない存在だった。彼女もいない、今の大学を選ぶにあたって親とは縁を切った・・・そんな青木には、親友である中島が一番大切な人だったのだ。

その中島が死んだ。

しかも、推測するにその原因を作ったのは自分だ。肝試しを計画したのも自分であった。キノコを初めに見つけたのも、中島に食べようと持ちかけたのも・・・


青木は優美を家まで送った後、絶望に打ちひしがれながら、例の廃屋へと向かった

遺書(というよりはメモと言った方が正しいのかもしれない)にあったように、キノコはそこにあった。青木はそれを全て家に持ち帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る