第7話

この一件で、あたしは、男ってモンはただヤりたいだけなんだな、って悟った。

でもって、一年近く付き合った彼氏に、そのことを浮気だって責められて別れた。


抵抗してもどうにもならないような状況だったって言ってるのに、もう済んでしまったことをいつまでもグチグチとこだわって責め立ててくる、挙句に『アリサもノリ気だったんだろ?だからわざわざ俺の誘いを断って、遊びになんか行ったんだ!』なんて言い出したんだもん。

彼氏だろうが友達だろうが、先に誘われた方をできるだけ優先する、というのはあたしの信条であって、いつだってそれを守っているし、それについてはきちんと説明もしてた。疑われるのがイヤだから、男友達と遊ぶ時には、事前にどこで、何人で遊ぶのかについてもちゃんと話してた。

いくらタカとユウジの策略にまんまとハメられてしまったとはいえ、あたしとチエがその点で考えが甘かったとはいえ、そんな言われ方をするのは納得がいかない。

第一、隠せばいいものをわざわざ説明したのは、あたし自身は彼氏を信じていたし、大切に思っていたからこそ、隠し事をしたりウソをついたりしたくなかったからなのに、まったく、何もわかっちゃいない。頑固で頭が堅いとは思っていたけど、ここまでとは思わなかった。はっきり言って、幻滅した。

束縛が過ぎる人って、はっきり言って、男でも女でもみっともない・・・って思う。


彼氏とも別れ晴れてフリーになったので、あたしは自分の周りの気に入ってる男友達全員に、さりげなくちょっかいをかけてみた。女の側から少しでもそうやって、色気を見せれば、男なんてスグ食いついてくる・・・タカの一件で、あたしはそう確信していた。そしてその確信は、間違っていなかった。

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