第6話

一体、夏休みに何があったのか、そしてあたしの生活がどう変わったのか・・・。


きっかけは、中学が一緒だった男友達とオールで遊びに行った時のことだった。飲んで、カラオケに行って、その後朝日を見ようとドライブに出た。その時点で残っていたのは、あたしと、あたしの高校からの女友達のチエ、中学一緒の男友達タカと、タカの高校からの男友達ユウジの四人だった。チエはユウジの車に、あたしはタカの車に、それぞれ乗り込んだ。

車で三十分くらい走って、何もない原っぱに出た。車を停めて見ていると、だんだんと地面が光を纏い始め、あたりが徐々に明るくなっていく。朝露に濡れた草がキラキラと飾られ始めた。あたしは何も考えなしに、ただその美しさに見とれていた。

・・・と、突然、タカに唇を奪われた。

何が起きたのか、一瞬わからなくて考えているうちに、上に乗られて服を脱がされた。

どうして彼女もいて、しかもその彼女とも友達の私なんかに、こんなことをしてくるのか、全く考えが読めなかった。そこまで嫌悪するほど嫌でもなかったし、逃げ出したところで、車で相当の距離を移動してきているから、何にもならない。ここがどこなのか、あたしはわからないし。

チエに助けを求めようとも思ったんだけど、向こうの車は向こうの車で、シートを倒してしまっている。時折、ユウジの後頭部がチラついて見えるだけだった。

チエも同じ状況、ってコトかな・・・あたしは、小さく一つ溜め息を吐くと、目を瞑った。目を閉じて集中していれば、相手が誰であろうとも関係ない。気持ちイイのは変わりない。所詮、男なんて皆そんなモンだ。下半身で物を考える、って話があるけれど、本当にそうかもしれない。そうやって自分に言い聞かせた。

・・・それにしても、鼻息が荒いのだけは、どうにかならないのかな。

タカは、鼻炎持ちらしくて、どうにも鼻が詰まったような声をしてる。少し気にはなってたけど、まさかこんな状況で鼻息がここまで気になるとは思わなかった。

あーぁ、少し、萎えてきた。

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