第16話
さっきこの男は俺が怖いかと聞いた。
今もしっかりと私を支える冷たいはずなのになぜか温かく感じる手。
「カイ」
抵抗をやめて名前を呼ぶとぴくりと頭が揺れ、私から頭が離れる。
目の前には禍々しい真っ赤な瞳。
そして、満月。
口の端からは瞳と同じ色の血が流れている。
男は親指ですくい、確かめ、舐める。
目が合って数秒。
なにも言わない私の首筋に指を這わす。
男がベールを軽く払うと私の頭から外れ、地面に落ちた。
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