第6話

メイクも直してもらい連れて行かれたのは、ハロウィンのイベントをしているバーだった。


階段前に黒板の立て看板があり、カラフルなチョークで2時間3000円!!という文字とともに上を指す矢印が書いてあった。



「あ、お金」


「いいよいいよ、無理矢理誘ったし。あと事前にチケット買ったら女性2000円なの!」


無理矢理誘ったという自覚はあったらしい彼女は、お金を渡そうとすると頑なに受け取ろうとしないのでお金を財布にしまった。




先に階段を上っている彼女を見る。


さっきから彼女も私の名前を呼ばない。


きっとお互いあやふやな記憶の中ではっきりと名前を覚えてないから。

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