2#空にあこがれて
「はぁ・・・」
人間に攻撃された傷が癒えないドラゴンのパルは、上空拡がる青空を見上げて一筋の涙を流した。
「俺がもし空を飛べたら、地上でこんな目に遭わないのに・・・」
ドラゴンのパルは夢想した。
「もし、俺の背中の翼が大きく羽ばたける位に逞しかったら、
この巨大な身体が上空に浮いて、この無限に拡がる大空を自由に飛べるのに・・・
そしたら、もう地上で人間にいじめられて酷い目に遭わないのに。
それに、見たことの無い風景や、見たことの無い世界が見られるし行けるのに・・・」
翼の短いドラゴンのパルは夢想した。
大きな翼をはためかせて自由に飛びまわる、ドラゴンのパルの姿・・・
眼下には黄金に輝く世界や、美しい風景。
妖精たちが、周りを飛び回って空を行くドラゴンのパルと戯れて・・・
「嗚呼・・・何で俺の背中の翼は・・・こんなにも短いんだ・・・
嗚呼・・・空を飛びたい!!空を飛びたい!!
あこがれのこの空を飛びたい!!
俺は空を飛びたいだけなんだぁーーーーーーーー!!」
遂に、ドラゴンのパルは感極まって大粒の涙を流して激しく号泣した。
「ドラゴンさんや。お困りのようですね?」
側で人間の声がして涙で滲んだ目をドラゴンのパルが拭うと、そこには・・・
「あなたは・・・もしかしたら・・・魔道士さん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます