第13話
次の朝、微睡の中健作の胸に抱かれていたら、彼が、
「コーヒーと朝ごはんを食べよう。さっき少し早めに起きて作ったんだ」
「本当、嬉しい」
2人で、テーブルに腰掛けて朝ごはんを食べた。そうしていたら、呼び鈴が鳴った。
「こんな朝早くから誰だろう。どなたですか?」
「おはようございますリリアです、朝早くからごめん」
「リリア、入って」
「私の秘書を長く勤めてくれた人なの」
「俺は、寝室にいようか?」
「良い、隠し立てなんてしたくない」
「君らしい」
「リリア、おはよう」
「おはようございます、ケイト。誰かいる?めっちゃハンサムって元旦那様?あぁ健作さん?」
健作は、頷く。ケイトは、リリアを急かす。
「ねぇ、それより何かあるから来たんでしょ」
「あっ、そうだ。先ずは謝る、ごめんなさい」
「何をいきなり」
「あのね、ボールドホテルが、乗っ取りに合うって」
「誰から聞いたの?」
「実は、昨日トニーが私に謝るのよ、これ以上黙っているのが辛くてって言うの。それでね、話はこうなの。彼は、前からカーク支配人が、カジノにたまに行っているのを知っていたらしいレストランのシェフのアダムと一緒に、トニーは、トニーの叔父さんがギャンブルで首が回らなくなって自殺したから、絶対にギャンブルはしないと心に誓っていたから誘われても行かなかったの。ボブは、お金がないからそもそも誘われていないけど、トニーから行くなと言われていたから行かなかったそうよ」
「トニーは、支配人達が、ギャンブルに誰かを誘ったのを見たんだ」
「そうみたい、モーリスが、カーク支配人と一緒にカジノに行くのを何回か見たらしいの。それでね、レストランを退職する前にレストランの休憩室で寝てた時にカーク支配人とシェフ長のアダムが、モーリスを鴨にしてボールドホテルを乗っ取ってしまう計画を立てていたらしいの、トニーは、奥のベッドにいて寝てたふりして聞いてしまった。始めは何かの世迷言だろうと思ったら、先日私所のお客様が、レストランで話しをしていたことがボールドホテルのモーリスが2000万ドル負けたと言っていたの、それを聞いたトニーが、昨夜泣いて話をするのよ。時間も遅かったし、夜じゃ何もできないから朝早くから来た」
「そう、繋がった。昨日、伯父がホテルに来てたから、辞めさせてと言ったら、あの穏やかな人柄の伯父がすごく怒るので、今ジャックに調べさせている。クィーンの権限を使ったから今日朝にはわかるだろうけど、どうしたら良いのだろう」
「クィーンの権限を使ったんだ、それならディックに連絡したらどうだ。彼は連邦検事だよ、君が電話すればすぐにその賭博場のトップに話しをつけるだろう。素人が手を出して怪我したら損だよ」
健作が、言う。
そして、着替えてオフィスに行く。健作もついて来る。
「ジャックを呼んで」
キャロルに言うと、ジャックがすっ飛んできた。
「ケイト、コレすごくやばいのが挟まっている。借金は、3000万ドルだ。利息が毎日のように増えてしまっている」
「馬鹿モーリスめ!」
「どこのマフィア?」
健作が、ジャックに聞く。ジャックは、日本人が、尋ねたことを少し驚きながら答えた。
「コーンロー一家」
「ガバリエ・コーンロー?」
「はい、今のボスの名前です」
「ケイト、ディックに連絡」
「私、連絡先知らない」
「わかった。俺が電話すれば良いか」
健作が、電話をすると
ーディック?俺、健作だけど
ー健作?お前日本からか?
ーいいや、ケイトの所
ーやっとより戻すのか
ーそれは後だ、クィーンの要請だ
ーワォー
ーディック?ケイトだけど、クィーンの権限って使って良いの?
ー君しか使えないよ
ー我が家のろくでなしのモーリスが、騙されて借金を負わされてしまったらしいの、ホテルを乗っ取ってしまう算段らしいの
ホテルは、私が、大株主でオーナーだからすぐに乗っ取る事ができない
ー相手は?
ーコーンロー一家
ーガバリエ・コーンローか
ー大丈夫?
ー大丈夫だよ、クィーンの権限で久しぶりに会おう!それが、報酬金で良い
ーわかった、この騒動が収まったらにしましょう
ー仔細が決まれば連絡する
ーよろしくお願いします
ー健作さんに代わる?
ー頼む
健作が代わって直ぐに電話を切った。
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