第23話 廃墟探検以外の目的

 パズルはコンピュータの操作パネルをいじくっている。と、メイン・コンピュータとアクセスできたみたいだった。

「魔法使いマゼルのプログラミングを呼び出してくれ」とパズルが言った。

 ハイ、とコンピュータが返事をした。カチャカチャとディスクを読み込む音がする。

「マゼル」しばらくしてパズルが呼びかけた。しかし、返事がない。ディスクを読み込んでいる音だけがする。もう一度、呼びかけた。何分待っても返事がない。「おい、マゼル、マゼル、聞こえていたら返事をしてくれ! 頼むッ」

 何度呼びかけても返事がなかった。だめだッ、そう怒鳴ってパズルは操作パネルを叩いた。「コンピュータの深いところがおかしくなっている」

「そこまでアクセスできないの?」とセブが言った。

「だめだ。拒否されている。どういうことだ」そう言ってパズルは頭を抱えた。しかし、やがて、ハッとすると、顔を上げ、言った。「さっきこの魔法ランドには廃虚探検以外の目的で訪れる人間がいるって言っただろう」

「うん」と僕はうなずいた。

「バルクさん、そのリュックの中に入ってるものは何だ」とパズルはバルクの方を向いて怒鳴った。

「何を言ってるんだ、いきなり」バルクが一瞬ギクリとした。「この中には、水と食料しか入ってないよ」

「そうかな。さっきから僕たちのことをやたらに追っ払おうとしたり、不法侵入者と言っただけで過剰に反応したり、様子が変なんだよ」

「お前らのことを心配して言ってやってるだけだろ」

「夜な夜なトンボのオーニソプターに乗って、地上のニワトリや大根を盗んでいったのはあんたじゃないのか」

「何だそれ? ロボットが狂ってるせいだろ。廃虚探検以外の目的ってニワトリ泥棒かよ」

「そう泥棒さ。だけど、盗んでいくのはニワトリじゃない。この魔法ランドで最も価値のあるもの。それはなんだ?」

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