超神合体ロボ・オーダイリー
津多 時ロウ
超神合体ロボ・オーダイリー
「おほほほほ、今年のひな祭りも平和じゃのう。なあ、ヒナちゃんや」
「うるさいバカオヤジ」
「がーん。ヒナちゃんもついにそんなお年頃になってしまったなんて、マロは悲しいでおじゃる……およよよ」
ここはどこかの町の三丁目三番地。
今年も無事にお雛様たちが飾られて、人間たちには聞こえない声でおしゃべりを楽しんでいました。
「マロ様、ヒナ様、大変です大変です!」
「マロ様、ヒナ様、大変です大変です!」
「マロ様、ヒナ様、大変です大変です!」
しかし、平和とは誰かの手によって破られてしまう
この三丁目三番地の平和も、今まさに破られようとしているのでした。
慌てふためいて大きな声を出したのは、三人組女性ユニットのトリプルカンジョー。
マロ様はその見事なハモりに落ち着いて返事をします。
「どうしたんじゃ、トリプルカンジョー。世の中にはそんなに慌てることなんてないはずなのじゃよ」
「大変です、ともかく大変だったら大変なんですよ、マロ様!」
「大変です、ともかく大変だったら大変なんですよ、マロ様!」
「大変です、ともかく大変だったら大変なんですよ、マロ様!」
マロ様に三人組は、それはもう大変だ大変だというばかりで、何が大変なのかまったく要領を得ません。そこでマロ様は、トリプルカンジョーの二段下にいるズイジーンの二人に声をかけました。ズイジーンは武士の恰好をした親子です。
「ズイジーンや、何があったかマロに教えてくれるかや」
「は。拙者が集めた情報によりますと、三丁目十六番地の段飾りが悪名高きどら猫ドラーの襲撃を受け、荒らされてしまったとのこと」
「なんと!」
それを聞いたマロ様は大きく目を開いて、ひどくびっくりしたご様子。
「それで、ドラーは今どこにいるのじゃ?」
「近所の空き地にいるようです」
「おのれドラーめ。だがこれは決着をつける好機。マロみずから成敗してくれるのじゃ。皆の者、出陣の準備をいたせ! バヤシ・ファイブ! 出撃の音楽を打ち鳴らせ! ヒナちゃん!」
「私、嫌よ。十五にもなってお父様と一緒に巨大ロボットを操縦してるなんて、別のお雛様に見られたらなんて言われるか」
「そそそ、それは困るでおじゃる。マロ一人では操縦できない仕組みであるからして……そうじゃ、こういうのはどうかのう?」
「こういうの?」
「
「じゅるり」
「決まりじゃな」
「しょ、しょうがないわね。今回だけなんだからね」
「うふふふふ、ツンツンしてるヒナちゃんもカワイイのう」
「うるさいバカオヤジ」
「照れちゃってカワイイのう。……では気を取り直して行くぞ。せーの」
「「来い! 超神合体ロボ・オーダイリー」」
ドドドドド、ドンドン、ドドドド
二人の息の合った掛け声とともにバヤシ・ファイブのドラムが激しく打ち鳴らされる。
どこからか現れたるは、マロ様の顔をそのまま大きくしたような顔パーツ。眩い光がその目から照射されると、マロ様とヒナ様は、その中に吸い込まれていきました。
顔パーツが横に回転しながらふわりと浮かび上がると同時に、今度は勇ましくもメロディアスなラッパパートが始まります。
「「「やあ! ボディパーツ、ドッキング!」」」
「「とう! レッグパーツ、ドッキング!」」
打ち鳴らされるドラムと勇ましいラッパの中で、トリプルカンジョーが叫べば彼女たちもふわりと浮かび上がり、横に回転しながら胴体と左右の腕に変形していきます。そして、ズイジーンの二人がポーズを決めれば、彼らは勢いよく浮かび上がり、脚部パーツに変形するのでした。
マロ様とヒナ様が乗った顔パーツ、トリプルカンジョーが変身した胴体と両腕、そしてズイジーンが変身した両脚は光の中でガシン、ガシンと音を立ててドッキングしていきます。
「
なんということでしょう。
ドラムとラッパの音が最高潮になったとき、それらは巨大なマロ様になり、バーンという音ともに格好いいポーズを取りました。もちろん、マロ様が巨大化すればこんなに人手はいらないということは言いっこなしです。
こうして身長130センチほどにもなった巨大なマロ様改め
ゴーゴー、
戦え、
三丁目の平和を守れ、
次回、
良い子のみんな、応援してくれでおじゃる!
『
超神合体ロボ・オーダイリー 津多 時ロウ @tsuda_jiro
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