第11話
学校の先生に言われた。
「この一年頑張れないやつは、大人になっても頑張れないぞ。」
と。
テレビに出ている名前も知らない評論家が言っていた。
「勉強に向き不向きなんてない。成績が悪い人はただやってないだけだ。」
と。
塾の先生に言われた。
「心配すんな、普通にやってれば成績はあがるから。」
だけど、成績は上がらなかった。
やってもやっても、できるようになっている気がしなかった。
だから、だんだんやりたくなくなった。
やっても、すぐに忘れてしまって無駄になると思った。
それも全部言い訳なのかもしれない。
だけど、僕はずっと苦しかった。
辛かった。
周りの人がみんな敵に見えた。
「バカとは関わりたくない」
って、そう言われてる気がした。
先に推薦で大学が決まった美咲が羨ましかった。
だけど、僕にだって最後の希望があった。
最後の可能性をまだ捨てきれずにいた。
でも、あの日。
それすらも無くなってしまった。
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