3日目
第7話
僕が死んで、3日目。
僕は、僕が死んだキャンプ場についた。
「大丈夫だって、なんとかなるよ。今投げ出したら、今までの全部が無駄になっちゃうんだよ」
あの日、美咲は僕にそういった。
だけど、僕は素直に聞けなかった。
美咲はいい子で友達も多かったし、先生からも人気があった
美咲の言うことはいつも正しくて、前向きだった
僕は、そんな美咲が時々嫌いだった。
幼なじみだからっていうだけで、美咲は友達もいなくて根暗な僕と仲良くしてくれた。
いつも優しく気遣ってくれた。
そのたびに、僕は僕のだめさを実感した。
美咲との違いを突きつけられた。
放って置かれる方が楽だった。だから僕は美咲に何度もひどいことをいった。
それでも、美咲は前向きでいつだって笑ってた。
このキャンプ場は家族で昔よく行っていた。
近くに川が流れていて、「雨の日は、危ないから近寄っちゃだめよ」と幼い頃よく母に言い聞かせられていた。
立ち入禁止の黄色いテープを超えて、
僕は、僕が川に入っていった場所に行く。
黄色いテープの手前には、たくさんの花束が置かれていた。
それは、僕の死を悲しんでる人がたくさんいたんだと僕に教えてくれた。
今日まで僕の死を悲しんでくれている人なんていないと思っていた。
だから、怖くて足がすくんでも前に進んだ。
深いところにつくまで引き返さないと決めて進んだ。
突然の大雨に襲われた日だった。
僕が死んだのは、美咲と喧嘩したから?
いや、違う。
僕にはまだ何かあった。
そもそも、美咲と喧嘩したのはなぜだ?
僕はキャンプ場を離れて家に行ってみることにした。
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