第10話
4月9日
今日は、おやじのテンションが異様に高い。
これはたぶん…
私がありがとうって言ったから
ではない。
何だかんだ面と向かうと恥ずかしくて言えなかった。
ありがとう、だなんてキャラじゃないし。
「ねぇ、ハルカ!!」
「今日は僕の1ヶ月後誕生日だよ〜」
「え〜なにそれ〜??」
「月誕生日。ほら、あのウォルトディズニーだって、なんでもない日、おめでとう。とかって言ってるでしょ??だから、朝から楽しい気持ちの時はなにかと理由をつけてお祝いするんだよ、そうやって元気になるの。」
「へぇ。」
「ハルカの誕生日は??いつ??」
「私?私は、もうすぐだよ。25日だから、あと…16日!!」
「そっかぁ。」
「なに〜?人の誕生日聞いて、悲しい顔しないでよ〜。」
「べつに、悲しい顔なんかしてませぇーん。」
なんでもない日、おめでとう。
ウォルトディズニーさん、いいこと言うね〜。
でも、おやじと過ごした日々はなんでもない日なんかじゃなかった。
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