第8話

4月7日


最近よく思い出す。親友だったあの子のこと。

今更考えたって仕方ない、それはわかってるんだけど…


「おい、ハルカ!!」

「…」

「ハルカってば!!!」

「はっ…!!…なに??」

「学校遅れるぞ!!」

「あー、そうか。学校か〜。今日は休む。」

「サボりはダメだぞ!!ハルカ!!」

「はいはい、分かったから!あっち行ってて。」


人はそう簡単には変われない。

きっと、私はあの頃のまま。

環境が変われば、きっと変われるはずだって東京に来た。

それでも、変われない私。

周りでできていく友達の輪をみてると焦る。

もっと、フレンドリーにもっと笑顔でって。

おやじみたいに…


「ハルカ〜〜」

「だから、学校は行かないって!!」

「じゃあ、今日暇だろ??」

「え??まぁ、うん。」

「原宿行こうぜ!」

「原宿!?!?」

「早く準備しろ!!行くぞ!!」


こうして始まる原宿探索。


一緒に行く相手がおやじなのはなんだかとても釈だけど、仕方ない。

まずは、WEGOに行ってパーカーを買う。


「欲しかったんだ〜。こういうパーカー。」


でっかくUSAとプリントされたラフなパーカー。


「見て!おやじ!!どう??」


なんだよ、おやじのくせに。

私が楽しいと嬉しそうな顔してくれるんだ。


「おやじも同じの買うー?って、デカすぎるかぁ。ペットショップでも行く??ハムスター用の服とか、ちょうどいいんじゃない?」


「だれがハムスターじゃ!!!!」


「じゃあいらないの??」


「う…、いります。ください。お揃いパーカー。ハムスターでもなんでもいいです。お願いします。」


「仕方ないね〜。私が買ってあげましょう!おやじ!ついてきて!!」


それから、奇跡的に見つけたペット用のお揃いパーカーをおやじに着せて、東京観光をした。

サンリオの前の顔パネルで変顔して写真撮ったり、3CEのバエスポットで骸骨と写真撮ったり。

楽しかった。


原宿に来たのはこれが初めてじゃない。


確か、前にもきたような…


「おい!ハルカ〜〜」


おやじも楽しそうだ。


ハックシュン。


「ハルカ、風邪引いたのか〜?」


「だから、今日は学校やすんだんじゃーん。」


「なんだ、てっきり嫌なことあって行きたくないのかと思ったよ。」

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