第5話
しばらくして律が美術室に戻ってきた。
何か言っているけど聞きとれない。
私の知っている律が音をたてて崩れ落ちていく。
目の前にいるのが本当に律なのか、と思うくらいに歪んでいる。
昨日まで、いやついさっきまで大好きだった律の笑顔も、差し伸べてくれる手も
そのすべてが歪んでみえる。
「大丈夫?」
そう心配そうにきくその声もわざとらしく思えた。
同じものをみて、同じことを考えながら育ってきたと思っていた。
だけど、同じ物をみていたとしても感じ方は人それぞれだ。
そんなあたり前のことを私はいつから忘れていたのだろう。
幼ななじみだから「律は私と同じだ」と勝手に思っていた。
この箱を開けるまでは―。
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