第4話
私はこの絵の女性をみたことがない。
律が女性の絵を書いているなんて意外だった。
律はどこに行ったんだろう。
日が暮れてきて美術室が夕焼け色に染まる。
絵の横にあるいつも律が持ち歩いている道具箱が目に入った。
「昔、勝手に触って怒られたな〜。」
あのあとにも前にも律にあんなに怒られたことはなかった。
律だって年頃の男の子だ。
女子に見られたくないものの1つや、2つあったっておかしくない
律の秘密に触れられる好奇心で私は道具箱に手をのばす。
後で後悔することも知らずに。
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