第2話

「そうだけどさ。それでもいいの。見てるだけでドキドキキュンキュンして、幸せな気持ちになれるの」


「それじゃアイドルと変わんないじゃん。だったらあたしは、アイドル推すわ」


「アイドルより、素敵だもん」


「はぁ?ナナ、バカじゃないの?」


「バカじゃないもん」


「バカでしょーが。あんなに彼女を溺愛してる人に望みなんて無いじゃない」


「だから、そーいうのじゃないんだって。って、あーあ、エータ先輩行っちゃった。」



昇降口に姿を消したエータ先輩を名残惜しく思う。


今日はもう、エータ先輩見れないかな?


また、明日の朝までお預けかと思うと、テンションガタ落ちだ。



「ナナ、そんなんじゃ、いつまで経っても彼氏出来ないわよ」



ユキちゃんの最もな意見に項垂れる。


分かってるよ。


そんなこと。


分かってるけど、しょうがないじゃん。


目がどうしてもエータ先輩を追いかけて。


見れるだけでも嬉しくて楽しくて。


幸せな気持ちになっちゃうんだから。

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