第103話

「あ、これって……」


 店頭のショーケースに並ぶ色彩豊かな和菓子の中心に、イトカが試食した新作が”甘さ控えめで女性に人気”との謳い文句で売られているのが目に留まった。


 『数か月ぶりにもう1度食べてみたいな』と思いながら、店員を捜していたちょうどその時。


「何か気になるものがありましたか?」


 20代~30代くらいの和装した男性が、のれんを潜って表に出てきた。

 姿勢良く着物を着こなし、黒髪の短髪に柔らかな表情はとても爽やかな好青年。


「この新作を頂きたいのですが……」

「わかりました。少しお待ちくださいね」


 店主のニコッと笑った顔に思わずドキッとしてしまうほど、彼の笑顔に魅力を感じた。


「はい、どうぞ」

「ありがとうございます。あの……今食べても良いです?」

「あ、はい。大丈夫ですよ」


 店主の許可を貰い、イトカはさっそく袋から取り出すと一口パクリ。


「あれ……この前と全然違う」

「え……」


 思わず口走ってしまった感想に店主は驚いた表情を浮かべた。

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