第91話

「彼女の何を知っているんでしょうか。それとも、私の元で働く方々は”庶民”という偏見だけで、人の良し悪しを決めるようなそんな人材でしたかね?」

「それは……」

「確かに彼女は誰に対しても物怖じせず意見を言う性格です。ですがそれが返ってプラスになる事も知りました。彼女は、価値ある仕事をしてきました。それは否定するべきではない」


 社長の言葉に誰も何も反論せず、俯き加減に黙って聞いている。

 それでも誰も納得していないのは社長にはすぐにわかった。



 だがもうコレ以上何を言ってもこの人達には伝わらない事も察してしまう。それが組織だから。

 社長は最後に頭を下げた。


「今回このような騒動になってしまい混乱を招いている事は本当に申し訳ない。皆さんの言う”庶民”を愛したのは事実です。彼女には多くのサポートをしてもらい、私自身も勉強させられた。だからあいつは悪くない。……傷つけたくはないんです」


 社長の立場というより1人の男として頭を下げ、最後まで謝罪の言葉を口にした―――

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