第70話
翌日――
「先日は失礼したねぇ。申し訳ないと反省しているよ。それに婚約したというのに、祝辞もまだ伝えていなかったね」
またも降ってわいたように現れた金我を前にし、拒絶の意思が表情に現れるほど嫌悪する社長。
「祝辞は結構です。それよりも今度はどのようなご用件でしょうか。出来れば御姿を拝見しない方が、双方のためかと思いますが。」
もはや気遣いではなく迷惑そうなのが言葉にも滲み出ている。
「私もそうは思いましたがね。朗報がありまして。ぜひとも柴永社長様ご本人の御耳に入れようかと……」
そう言って、またあの気味の悪い不敵な笑みを浮かべた。
「朗報……?」
「はい。それは……貴方様の”解任”についてです」
”解任”
その言葉にイトカと鮫島は、お互い目を合わせて驚いている。
しかし社長は違った。
「それはまた急な話ですね。何が朗報なのかわかりませんが、きちんと説明して頂けませんか」
驚き焦る様子もなく目を細め鋭く真剣な表情は、むしろ落ち着きを払っている。
「社長が1番ご存じのはず。この度の婚約発表、誰も得をしていないという事を」
その一言に社長の眉がピクッと動いた。
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