第36話

この1か月で学んだ掃除については、無駄に広い屋敷内の全てを仕事が終わってからするのは無理な話だという事。だから各フロアに分けて毎日少しずつと決め、今日は台所を終わらせた。……と言っても、ようやく一息つけたのは22時は過ぎている。


 セレブ街から離れた庶民が住む町のコンビニまで行き、買ってきたサラダとおにぎりを食べながら頼まれていた資料に目を通している内に社長が帰宅。


「お疲れ様です。お風呂、入れる状態になっています」

「あぁ。悪いな」


 ここまでがイトカの1日の仕事。最後に風呂掃除をしながら自分もシャワーを借りて、仕事が完了になるのは日付が変わる頃だ。

 しかしそうなると逆に目が冴えてしまい眠れない。疲れが溜まるのは無理もなかった。


 身体に異常をきたしたのは翌日。


「……ッ」


 ズキズキと痛む頭を押さえ、昨晩に終わらせた資料をまとめていた。


「随分と頑張っているみたいだけど、庶民のアナタには大変そうで可哀想ね」


 久しぶりに鮫島が話し掛けてきたかと思えば、見下したような言い草で憐れんでいる。

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