第27話
社長の心底迷惑そうな表情にイトカは『そうなるよな』と苦笑。
和菓子の時のやりとりは鮫島は知らない。だから社長が甘いモノが大の苦手だという事も、もちろん知る由もないのだ。
「お……おう、貰っておく……鮫島、ココはもういいから自分の仕事に戻れ……」
「あ、はい。では失礼します」
背筋の良い会釈をした彼女は通りすがりにイトカを嘲笑いながら、社長室を後にした。
「鮫島って……以前からあんな感じだったか……?」
急な変貌ぶりは社長も気付いていたらしく悪い夢を見たように青ざめている。
「秘書も”女”だったって事ですよ。だからちゃんと食べてあげてくださいね、それ」
「無理に決まってんだろ。お前にやる」
「いらないです」
「は? 社長命令だぞ」
「命令でも絶対イヤですよ。(極甘な)毒が入っていそうだし。なので私も仕事戻りまーす」
「お、おいッ」
珍しく焦った様子の社長に『お気の毒に』と思いつつ、社長に宛てた菓子を食べる事はなかった。
鮫島が社長に対して秘書以上の気持ちが入っている事はイトカにはわかっていたから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます