第28話

鮫島の立場もある。だから下手に関わったりすれば彼女がどうなるのかわかならない。それと自分自身に危害が及ぶ事も恐れた―――

 


「おい、女。今日は俺の帰りが遅くなるからしっかり家のセキュリティを掛けて寝ろ」


 すぐ隣でスケジュールを確認している鮫島がいるにも関わらずどうしてか社長は何気なく、”一緒に住んでいます”宣言をしてしまった。

 驚いたのはイトカと、もちろん鮫島本人だ。


 スケジュール確認どころじゃなくなってしまい、瞬きを忘れ目を丸くしながら、その場で固まっている。


「どういう事……?」


 なんとか絞り出した声でイトカに質問してきた。


「えっと。それはつまり……掃除屋さんというか……」


 遠まわしでありながらも誰でもわかるような社長の発言に、何をどう誤魔化しても隠せそうにもなく、しどろもどろになってしまう。

 それなのに社長はやっぱり空気が読めない。


「俺の家で住み込みで働いてもらってる」


 まさに”衝撃波”。切れ味良すぎの刃のような一言を発した。

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