3章:嫉妬と確執

第23話

「俺が意見を求めた時は今のようにハッキリと答えろ」

「……はあ」


 あいかわらず淡々と要件しか伝えられず、結局社長の意図がわからない事ばかり。

 ただ”アシスタント”に昇格したのなら少なからず自分を認めてくれたのかもと、前向きな気持ちにもなれた。


 まぁ実際そんな上手くいくはずもなく―――――


「掃除が終わったら次の仕事だ。早く来い」


 良いように使われる事には変わりなかった。会社では主に掃除をさせられ

書類整理やコピー、植物の水やりなんかもした。


 社長や来客への対応。お茶出しなんかは秘書:鮫島の仕事。彼女は『手際も応対もいいね』等と他社からも褒められてばかり。

 そんなのを目の当たりにし、天と地との差を毎日痛感させられた。


「今日は鮫島と外に出る。留守はしっかり守れな」


 数日後、社長は行先を告げずに秘書を連れ、高級車に乗り込み外へと出て行ってしまった。


「鬼社長がいない。やったね! 解放される~」


 本人には言えないが、こんな嬉しい事はない。叱責される事がないのだから。

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