第5話

「たぶんコレで大丈夫だと思います。あ、それとこの表の年齢層についてですが、もっと若者をターゲットにした方がいいかも」


 パソコンを戻しつつ、ふと目に入った画面に映る”表”に思わず意見してしまった。


 その場にいた全員が一斉に彼女へと視線が行き、本人も自身の発言と今自分の置かれている立場に絶句したのは言うまでもない。


「君は誰かね。代理か?」

「そういえば見慣れない顔だ。どこの店舗だ」


 次々と疑惑の目が向けられてしまう結果に。


「あ、えっと私は……秘書面接で来た一般人でして……ちょっと部屋を間違えてしまって。アハハ」


 なんて言い訳が通るはずもない。


「そんな嘘をつくな! 誰なんだねアンタは!」

「大事な社内外の会議に身分を隠して潜入とは、まるでスパイのようだぞ!」

「警備員を呼べ!」


 潜入調査で入ったスパイのような見方をされ、危険な悪人のような扱いを受ける羽目に。

 ざわつく会場に大事になってしまった事への焦りと、『大人しくしていれば良かった』と後悔。


 警備員が駆け付けいよいよ警察沙汰かと思った、ちょうどその時だ。

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