SIDE C 水曜日の場合
第11話
水曜日。三軒茶屋。
雨、午後七時十五分。
三宿交差点から少し奥に進んだ場所に、その一軒家はある。
看板は小さく出ているだけで、知らなければそこが料理教室だと誰も気付かないだろう。
会員制のその教室は、紹介でしか入会が出来ない少人数制。
欠員が出ると誰かの紹介で誰かが入会する。
運が良ければすぐに入れるし、ご縁がなければ何年待っても入れない。
レストランを何店舗か経営する人気のシェフとパティシエ夫婦が運営している。
講師はそのレストランで働くスタッフ。
季節ごとに開催されるスペシャルレッスンではオーナー夫婦が来ることもある。
食べることが好き、作ることが好き。
料理に関わることが心底好きな人しかいない教室だった。
レストランと同じ食材を使い、
レストランに出すメニューを家庭用に調整しているレシピは人気が高く、
出版されているいくつかのレシピ本はどれも人気で、
書籍やレストランのファンの中では憧れの料理教室でもあった。
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