契約五日目
第18話
そして次の日、ある訪問者によってついに彼の運命が前へと進み始める。
その朝、私は彼が眠っている間にそっと寝室を抜け出した。
テーブルの上には夕べ彼がまた思いでの写真を眺めていたままになっている。
彼はまともに見えるけど、かなりのギリギリな精神状態だと思う。
きっと毎晩同じことを繰り返している。
現実から逃げて心がとじ込もってしまうのを無意識に望んでいるようだ。
私はテーブルの上に乗り写真を覗く。
そしてあることを思い付いた。
これで本来の彼に戻ってくれればいいのだけど…。
すべての準備が完了すると、まずどうやって気づかせるか考える。
私は玄関に向かうとドアノブにジャンプしてしがみついた。
重みでノブが下に下がる。
しかしもちろん鍵がかかっているのでドアは開かない。
私は鉄棒にぶら下がっている状態だった。
さすがにこの手では掴みにくく、滑った私は尻餅をついた。
きっと猫がいたら笑われるんだろうなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます