第13話
―君は君だ。誰の代わりにもなれないよ。あいつの代わりもいない。それに鈴花はまだ俺の側にいるから。―
それを読んだ望実は涙を流し、拳を強く握りしめていた。
そして何も言わず部屋から出ていった。
我に返っていた私は彼の側による。
あの声は聞こえなくなっていた。
私に気づいた彼は微笑みながら私を抱き上げると再び写真を眺め始める。
私の死を拒絶しているからだとしてもその顔はとても幸せそう。
私は自分が恥ずかしくなった。
あぁ…私はなんて醜いのだろう…。
彼はこんなにも純粋で真っ直ぐなのに、私は望実を犠牲にして自分の願いを叶えようとした。
キタナイ…
サイテイ…
そして私は夜のうちに彼の部屋から出ていった。
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