第6話

私はいてもたってもいられず葬儀場を後にする。

向かった先はもちろん彼のところ。

ここから電車で二駅の場所にある。


“聡ちゃん、今行くからね。”


しかし猫の姿では電車に乗れるはずもなく、ただひたすら走り続けるしかなかった。

体が小さい分、体力も持続しないし見るもの全てが巨大で側を走り去る車などはまるでモンスター乗れる様。

今の私には人の足ですら驚異に感じる。

今まで過ごしていたこの場所がまるで別世界だった。

気づくといつの間にか日が暮れて月が顔を出す。

さすがに昼間からずっと走り通しだった為、立ち止まった途端一気に疲れが襲ってくる。

今日はもう遅い。

私は途中に見つけた公園のベンチの下で眠ることにした。

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