第2話
あぁ…もう最後なんだ…。
でもおかしいな…彼の声が聞こえない。
彼の甘く優しく、耳元で囁いてくれた声を聞きながら逝きたいのに、思い出せない。
やだよ…このまま終わりたくない…。
もう一度会って彼の声が聞きたい…。
そう強く思った時だった。
どこからか謎の声が聞こえてきた。
『終わりたくないのか?お前は願いを残した。死ぬ前に思いを残した。ならば契約をするか?思いを遂げるために我が力を貸してやろう。』
「契…約…?」
『ただし、お前の肉体はまだ発見されていない。姿は以前のお前とは違うものとして6日間だけ甦る。そのかわり全てが終わった後、お前の魂を我に捧げるのだ。しかしそれを拒むのなら代わりの魂を捧げよ。そしてこの事は決して他のものに知られてはいけない。もしこれらを破れば、お前に安らぎが訪れることはないだろう。それが契約だ。』
謎の声は私にそう言った。
「契約をすれば彼にもう一度会えるのね…」
恐ろしかった。
この声は悪魔の囁きかもしれない。
でもそんなこと今の私には関係なかった。
例え魂を喰われたとしても、姿が変わってしまったとしても私はもう一度彼に会いたい、それだけだった。
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