第18話
僕が驚くより先に、「きゃあぁぁ」と盛り上る生徒たち。
「うん、何も無かったよ?ただ…」
愁の頭を引き寄せて、僕の頭をコツンとくっつけた。
「仲良しなだけ」
にこっと笑って言ってみた。
ノリいいでしょ?
こういうの好きでしょ?
思った通り、パシャパシャと写真を撮られる。
みんなに手を振って、生徒会室に戻る途中に、はっぴを着て呼び込みをしている生徒がいた。
「縁日やってます!ぜひ来て下さい!」
「へぇ…縁日かぁ…」
愁は、当たり前のようにふらっと部屋に入っていく。
「ちょっと!愁!」
愁の後を追いかけて、僕も部屋に入る。
ヨーヨー釣りや金魚すくい、わたあめ、射的など…たくさんの屋台が並んでいた。
「わぁ~!すごい!!」
部屋の天井には提灯もぶら下がっている。
生徒は、浴衣やはっぴを着ている。
「空、これ勝負しようよ」
愁が、指差したのは『ヨーヨー釣り』
「いいよ、負けないもん」
強気で勝負に挑んだが…1個も取れなかった。
「俺の勝ち~!」
取った2つのヨーヨーを見せながら、僕に自慢してくる。
…ムカつく。
「ねぇ…」
店番している生徒に声をかける。
「はい!」
「…ヨーヨー欲しいなぁ」
3本指を立てて、上目遣いでお願いしてみる。
「だめ?」
「いえ!どうぞ…!!」
そう言って、ヨーヨーを4つもくれた。
「は!?だめだろ!」
「僕の勝ち~!」
両手でピースして、ヨーヨーを自慢した。
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