第22話

「神谷くんは、何でも出来るんだね」



「そんなことないよ」



「だって、大輔が言ってたよ?」



「大輔?」



「んーと、今日…一緒に教室に行った人」



「あー、あの子?」



「うん!大輔が、勉強も出来て…運動も出来て…カッコいい王子様の神谷って言うんだよって」



「いやいやいや、恥ずかしいな」



「家事も出来て…一人暮らしをしてるだなんて、本当にスゴいね」



「あはは…ありがとう」



そう言って笑った神谷くんの顔はさっきの笑顔とは違って、無理して笑っているような顔だった。



「知らなかったなぁ、同じ学年なのに…こんなにすごい人がいるなんて!」



「……俺のこと知らなかった?」



「あ…うん、ごめんね…」



「…そっか、」



やっぱ、同じ学年なんだから

知ってないといけないよね…



失礼だったかな?

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