第65話

急いで近藤の手を退ける。



「ごめん、ちょっと痛いよぉ」



近藤に笑いかけてから、暁の方を恐る恐る見た。


暁は、俯いてしゃがんでいたので、表情がわからなかった。



「隊長~?」



近藤に肩をポンポンと叩かれた。



「あっ、えっと…文化祭の件でちょっとぉ…」



「…文化祭?」



文化祭と聞いて、市川の表情が少し険しくなった。

きっと去年の親衛隊の出し物を見て、自分たちがそうなるのは嫌だと思ったんだろう…



「文化祭で親衛隊の出し物を、生徒会の皆さまのグッズ販売にしようと思ってて…」



シーン…となる部屋の中。


あ、やっぱりダメ…か?



「…却下」



やっぱり…



「お願いします~!」



近藤と一緒に頭を下げて、お願いする。



なんで、市川に俺が頭を下げなきゃいけないの…



すると、後ろから声が聞こえた。



「「いいじゃん、やろうよ」」



海と空がソファーに座って、原野とトランプをしながら言った。



「でも、僕らが許可したグッズだけね?」


「僕らが監修するから」



「うん、面白そうだな!」



海と空と原野は、3人で盛り上がっている。



これは、交渉成立…?



「売上は、親衛隊にいくんですか?」



佐々木が市川の隣まで来て聞いた。



「そ、れは…」



「半分ずつでどうですか?」



俺が戸惑っていると、横から近藤が言った。



「半分…悪くないですね」



佐々木は、顎に手を当てて何かを考え始めた。



みんな乗り気。あとは…市川だけ。


市川は、脚を組み、少し考えた後、にやりと笑った。



「…条件がある」

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