第35話

「…うん、地毛だよ」



「すごーい!」



女の人が俺の腕に絡み付いてきた。



「はは、ありがとう…じゃあ、俺…彼女待ってるから」



「えー…彼女いたのぉ?」



「ざんねん~」



そう言いながら

歩いていく女の人達。



はああぁぁぁ…



ため息を吐いてから、原野に電話をかける。



プルルル、という音の後に原野のテンションの高い声が聞こえた。



『はぁい!暁ぁ~?』



一瞬、原野に電話したことを後悔した。



が、そんなこと言ってる場合じゃない。

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