第29話

暁にも触られたことないのに。



知らない男達に触られる。



なんだか、涙が出そうになった。



「…あきらっ…」



思わず、

暁の名前を言ってしまった。



「ふーん、彼氏?」



「あきら君って言うの?」



「…うるさいっ、離せ!」



「じゃあさ、俺の事をあきら君だと思っていいよ?」



「…は?」



「だから…俺で、気持ち良くなっちゃいなよ…」



そう言われた瞬間、

太ももをスルッと触られた。



ビクッとまた体が揺れる。



「ツヤツヤだね、お前の肌…」



「…んやぁっ…」



突飛ばしたいのに、腕に力が入らない。



太ももを触る手は、どんどん上がってくる。



俺のトランクスの裾を軽く引っ張られた。



「…ちょっ!」



「あれ、パンツは男物なの?」



「えぇー…残念」



浴衣の裾は、腰の方まで捲られて足と下着が丸見えで…



帯が腹の辺りで外れていて、胸元を開かれ胸と腹が丸見えで…



だいぶ、恥ずかしい。

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