第26話

女だと思ってる?



男Bが俺を壁に押し付けた。



「叫ばないでね~?」



「…叫んだら、襲うから」



男Aが俺の耳元で低く囁いた。



「あの、」



「「ん?」」



今までの高い声とは逆に、

低い声で言ってやった。



「俺、男だけど?」



「「は?」」



マヌケ面の男達。



「だから、女じゃねえよ」



「「………」」



黙り込んで、お互いの顔を見合わせる男達。



「…ってことで、じゃ」



掴まれていた手を払って、

石段の方に歩き出した。



「いいよ、別に」



「男でも問題ないから」



「…は?」



またグイッと引っ張られ、

壁に押し付けられる。



「お前、可愛いし」



「そーそー!お前ならイケる」



「いや、あの…」



そーゆー人なのか!?



男でもいいのか!?



……俺は良くない。



「…離せ」



「やーだ」



「大人しくしててね~」

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