第19話

姉がいるから…着せられるのか?



普通はわからなくね?




「では、こっちです」



佐々木に腕を引っ張られながら、俺の部屋に向かう。





紺色の生地に、何の花だかわからないが…花の柄の浴衣。



帯は暗い赤色。



てか、すごい帯だな



ヒラヒラのやつも一緒に

巻いてあって…



モデルさんみたいにすごい豪華な浴衣になった。



「…すごっ…」



「まだですよ、愁ー!」



「はいはーい、」



リビングで声がして、

原野が部屋に入って来た。





「俺の番ー?」



「はい、任せました」



「りょーかいって…うひゃあー!すごいなぁ」



「豪華過ぎるだろ…」



「んー?でも、颯斗美人だから…似合うんじゃん?」



「び、美人!?」



「…無自覚だもんね、」



「なっ」



「はいはい、座ってー」



肩を掴まれ、ストンッと椅子に座らさせられた。



そのままウィッグを被せられて、クシとブラシとスプレーと…



いろんな道具を使って、髪をいじり始めた。



20分くらいして、



「はい、出来たー!」



という原野の声で、鏡を見る。

(あ、少しうとうとしてた)



鏡には、茶色い髪を器用におだんごして簪(カンザシ)を刺してある俺の姿が映っていた。

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