「遥・・・やっぱりあんた・・・だめだわ」

そうそれはまさしく

「お母さん結婚したけどやっぱりあんな男と結婚なんかしなきゃよかったわ！」と実家に出戻りしてきた娘を迎える母親のような気持ちだった

「おばちゃーん！クモさんクモさん！」

遥はそんな気持ちをよそに元気に

クモの袋をとっては

缶の中に集めている

かつての自分を見ているようである

その横でクモをとる虫女を見て笑っている息子

そんな息子のそう遠くない将来を

母親として何か考えてしまう。

そうしているうちに小さな缶にクモちゃんが「こんにちは」状態でたくさんになった

「・・・・！まじぐろい！遥頼むからそれどっか捨ててきてよ！！！！！」

夏のはずなのに鳥肌たちまくりである

「えーせっかくとったのに・・」

そう言いながら捨てようとしたまさにその時だった

「あぁっ！！」

・・・・・・・・・

・・・・

！

虫女が缶を持ったまま転んだ

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