第16話
遥のふくシャボン玉に息子は
きゃっきゃっと笑い
その光景をたばこを片手に満足そうに見つめる私
視界に入る桜の枝が若干まだうねりぎみなのが
気になるところだが
今はもうそんなことは大丈夫
実に充実している・・・
うんうん
年もそれなりにとったが今の瞬間私は確実に充実している
しかし
その幸せな時間もつかの間に過ぎなかった
「おばちゃん遥いいもの見つけたんだ」
そういう姪の片手には
なにやら不思議なものがあった
・・・・
・・・・・・・
・・・・・
あんた・・・・
それ・・・・
「クモの袋」やんけ・・・
やはり虫女・・・
簡単に信じた私
ただの素敵な勘違いやん
ここで一つわからない人のためにわかりやすく解説しておこう
「クモの袋」とは
よく家の縁側の下や木の根元に張り付いている
袋ちゃんです
それをちぎれないように内側にひっぱりながら上に引っ張るのがポイントです。
そうして出てきた袋ちゃんの中にポッコリしたものが入っています。
それが「クモクモ」ちゃんなのです。
恥ずかしながらも幼少の私も
昔よくとっていました。
そうして缶の中に集めては
近くの友達や幼馴染と
自分のとったクモの大きさで勝負したものです。
これぞ田舎ならでは
そう
田舎だから実現することなのです。
そうして時にはその缶の中に
「女郎クモ」ちゃんもインして
4件隣の幼馴染の家に投げ込んだものです。
えぇ
クモちゃんたちにとっては
「偉い迷惑」でした
しかしわたくし25年間の過程で
女の子に成長したんです
ほんとに今虫はだめなんです
かわいいんですわたくし
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