41-
キョドウフシンな次女
第41話
ある日の学校帰り。
次女はいつものコーヒー屋さんの前で挙動不審な動きをしていた。
「純香。そこで一体何しているの」
そんな次女に声をかけたのは佐々木家下双子の幼馴染だ。
「奏太朗!一昨日ぶりだね!」
「そうだね。一昨日は友達沢山いたけど今日は一人なの?」
「今日は一人!」
「珍しいね。毎日遊んでいるんだと思ってた」
「私だって遊ばない日くらいあるよ~」
「そうなんだ。それで、何してるの?お店入らないの?」
「あ、えっと…」
幼馴染はこれまた珍しく言葉を詰まらせる次女を不思議に思う。
「純香、ここのカフェモカ好きだったじゃん。飲まないの?」
「飲む!飲みたいんだけど…奏太朗、中に学生の店員さんいる?」
「え?店員?」
幼馴染はよく分からないまま店内を覗く。
「学生っぽい店員さんはいなさそうかな」
「そっか。じゃあ、奏太朗、入ろっか」
「え、俺も?別にいいけど」
幼馴染は帰宅するつもりだったが次女に腕を組まれ店内に入り、二人は慣れたように注文する。
カウンターからドリンクを受け取り帰るのかと思いきやテーブルにつく。
「帰らないの?」
「え、うちに来たかった?」
「そう言うわけじゃないけどてっきりテイクアウトだと思っていたから」
「私、このお店の雰囲気が好きなの。ちょっとだけ付き合って!」
「わかったよ」
了承を得た次女は美味しそうにカフェモカを飲む。
「それで、なんで挙動不審だったの?」
「え?キョドウフシンだった?」
「それはもうめちゃくちゃ不審だったね」
「いや、ちょっと、ね」
「???」
はぐらかそうとする次女がまたもや珍しくて幼馴染は首を傾げながらブレンドコーヒーを一口飲む。
すると奥から視線を感じた。
「純香、あの人知り合い?さっきからこっち見てんだけど」
「え?どの人?」
「ほら、あそこ。カウンターにいる人」
カウンターに背を向けている次女の後ろを指さして言う。
「え、やっぱりいたの…!?」
「知り合いだった?」
「し、知り合いだけど、い、いいの。奏太朗は気にしないで!」
「いや気になるよ。めっちゃ目が合うんだけど」
「奏太朗が目を逸らしなよ!」
「俺、気になることから目が離せないから」
「え、園村君の事気になるの?」
「園村君って言うんだ。あ、こっち来た」
「え!?」
落ち着いている幼馴染とは対照的に何故か焦っている次女に幼馴染は更に不思議そうにする。
「純香さん。いらっしゃいませ」
「あ、どうも…」
「今日もカフェモカなんですね」
「カフェモカ好きなので」
爽やかな青年と会話をする次女の様子がいつもと違い大人しくて幼馴染は困惑している。
「純香、店員さんと知り合いだったんだ?」
「知り合いというか、なんというか」
「純香さんそちらの方は?」
「えっと、幼馴染です…」
「すみません。挨拶が遅れました。純香の幼馴染の佐倉奏太朗と言います」
「幼馴染さんでしたか。ここでバイトしている園村裕翔です」
「学生さんですか?」
「はい。高2です」
「あ、タメなんだ。敬語じゃなくていいよ」
「じゃあ、遠慮なく」
「で、純香はいつまで存在消そうと頑張ってるの。無理でしょ」
「い、いや~、二人が仲良くなってくれそうでヨカッタナー」
「今日の純香、本当におかしいよ?変なものでも食べたか?」
「奏太朗は私を何だと思ってるの!普通だもん!」
「そう?」
「帰るよ!」
よく分からない次女を追いかけるべく席を立つと、青年が幼馴染に言った。
「純香さんが変なの俺が告白したせいだからかも。なんか、申し訳ないな」
思わぬ好青年からの告白に目が点になっている幼馴染は入口から呼んでいる次女に一瞬目を向け、また好青年へと視線を戻す。
「あの、えっと、あいつの相手大変だろうけど頑張って」
「はは、ありがとう」
「また来たら詳しく話聞かせて」
そう彼に告げると外で待っている次女の元へと急いで問い詰めたのであった。
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