悩める高校生組
第25話
佐々木家長女長男誕生日前日の放課後。
佐々木家高校生組は珍しく真剣な表情でショッピングモールのフードコートで話し合っていた。
「お姉はティーセットが欲しいって言ってたよ」
「お兄は何もいらないって言ってた」
「雅君は欲しいものは自分で買ってるもんね」
「ケーキは純香が作るんだろ?」
「勿論!」
帰りに材料買うの付き合ってねー、と次女は楽しそうに笑う。
それを目撃した周りに座っている男の人達は目を奪われる。
が、当の本人は全く気付いていない。
「清ちゃんは決まってるけど、雅君どうしよう…」
周りの状況を知っていながらも平然と三男が二人に問う。
「お兄の欲しいものとか一番分かんねえからな」
「お兄そう言う事私たちに言わないもんね」
「天体系の物あげてれば何とかなるか?」
「安直だね。でもそれ以外思い浮かばないよね」
「天体系の何をあげるの?」
「………分からん」
またもや頭を悩ませ出す三人。
「実用性のあるものがいいよね」
「無難にハンカチとかそういうのにする?」
「絶対他の人から貰ってるよー。お兄モテモテだもん」
「んー、じゃあ定期入れとか?」
「雅君、この前新しいの買ってたよ」
「まじか。……キーケースは?お兄なんか知らんがいろんな鍵持ってんじゃん」
「確かにジャラジャラしてるね」
「なんでキーケース買わないのか不思議だったんだよな」
「よし、決定だね!」
早速買いに行こう!次女は言って二人の腕を引いた。
「待って、このティーカップ可愛くない?」
女の子に人気の雑貨屋さんで次女は目を輝かせた。
お客さんの大半が女性、というより男性は次男と三男のみである。
「はあ?お姉のキャラじゃねえだろ。こっちにしようぜ」
「いや、潤君のもどうかと思うよ。それなら純ちゃんの持ってるパステルブルーの方がいいと思う」
しかし、二人は差ほど気にしていない様である。
「誠弥は分かってるね!潤弥の感覚可笑しいよ。ナニソレ。色味がうるさいよ」
「はあ?この色合いがかっこいいんだろ」
「かっこよさは求めてないの!お姉は可愛いものが好きなんだよ!?分かる!?」
「そんな事知ってるわ」
「清ちゃん意外と可愛いもの好きだよね」
「そうなんだよ!綺麗めなものが多いけど可愛いのも地味に好きなんだよね」
そう言うところ潤弥は分かってないんだから、と次女は言って手に持っていたティーセットの新しいものを店員さんに出してもらった。
「潤君、今回は諦めよう。第一、変なもの買って清ちゃんに怒られたくないでしょ」
「……今日の誠弥は酷いぜ」
三男は次男を諭し、レジでラッピングしてもらっている次女を待った。
次女が帰ってくると次男が、茶葉もあげれば?と珍しくいい提案をしたので美味しい紅茶を探し、それも包んでもらった。
長女のプレゼントを買い終えた後、次男は二人について来いと言ってあるお店へ迷わず入っていった。そして、
「お兄は絶対これが気に入るはずだ!」
自信満々に二人に見せた。
「え、どうしたの潤弥。珍しくいいセンスしてるじゃん」
「確かにこのブランドロゴ、土星っぽいもんね」
「俺はキーケースと言った時からここしかないと思っていたんだ」
そう言って早速次男はレジでラッピングを頼んだ。その間残された二人はお店の外で待つ。
「お姉とお兄、喜んでくれるかな」
「喜んでくれるよ。多分」
「真剣に選んだし、気持ちがこもっていればいいよね!」
「うん」
「後はケーキか。どんなのにしようかなあ」
「俺はチョコのケーキが良いな」
「今回は誠弥のケーキじゃないんだからね」
「……二人ともタルトが好きだよね」
「去年もタルトだったけどいいかな?」
「去年はベリーのタルトだったから違うやつにすればいいんじゃないかな」
「じゃあぶどうのタルトにしようかな。旬だし」
三男のおかげで次女がそう決めると、次男が戻ってきた。
「買ってきたぞー」
「ありがとー。ケーキの材料買いに行こう!」
「どんなケーキにすんの」
「ぶどうのタルトだって」
「へー、いいじゃん。行くか」
そして三人はスーパーで材料を買って長女長男にバレないように慎重にプレゼントを持ち帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます