純真無垢?な次女
第22話
「純香って、本当に可愛いよね」
昼休み。次女が長女の作ってくれたお弁当を嬉しそうに食べていると前に座っている友人がしみじみ言った。
「そして、いつも美味しそうにご飯食べるよね」
「えぇ?そうかな?ありがとう」
「お弁当、そんなに美味しいの?」
「勿論!毎朝お姉が愛を込めて作ってくれてるからね」
「あぁ、美人で有名なお姉さんね」
「そうなの~!」
「純香の兄弟は潤弥君しか会った事ないから会ってみたいなあ」
「え?誠弥には会った事ない?同じ学校だよ?」
「誠弥君は遠目からなら見たことあるけど」
そう言って友人は買ってきたあんパンを頬張る。
「そういえば真桜は潤弥が初恋なんだっけ」
「ゴホッゴホッ…!?」
「わ、大丈夫!?はい、オレンジジュース!」
「…げほっ、あ、りがとうっ」
「どういたしまして」
「で、何故、今それを言った!?」
焦る友人を不思議そうに見る次女。
「あれ、違った?」
「違わないけど、それは今言う必要なかったよ、純香さん」
「なんで嫌いになったんだっけ?」
「き、嫌いにはなってないからね!?」
「んん?真桜は複雑だなあ」
「君の理解力が低いだけだと思う」
今は友達として好きだよ、友人は補足する。
「友達としてか。友達としても無理じゃない?」
「そんなことないよ。潤弥君、女の子には素っ気ない印象だけど優しいし、しっかりしてるよ」
「そうなの?」
「うん。現に純香の事よろしくなって言われたことあるもん」
「えぇ?何をよろしくなのかいまいち分からないけど珍しい事もあるんだね」
(純香が男の子とよく遊んでるから心配なんだよって言っても分からないんだろうな)
潤弥君も大変だ、と友人は苦笑いが漏れる。
「そんなに好印象なのになんで嫌いになったの?」
「いや、だから嫌いじゃないんだけど…ってまあいいか」
何度訂正しても嫌いなのかと訊いてくる次女は確信犯なのだろうかと疑うくらいである。
「潤弥君って結構悪戯好きじゃない?」
「あー…確かに余計な事してよく先生にもお姉とお兄にも怒られてるね」
「私にはちょっとついていけないなって思ってね」
「なるほど。愛想を尽かせたわけだ」
「うーん。ちょっと違うけど純香にしては絶妙な言葉のチョイスだね」
「えへへ~そうかなあ~」
「あはは、別に照れられるほど褒めてはないんだけどね」
照れる次女に友人は笑う。
「潤弥君モテるのにね」
「確かに顔だけはいいからね。典型的な残念イケメン」
「そういえばこの前も隣のクラスの子に告白されてたよ」
「え、初耳」
「潤弥君、本当にモテるからね。隠れファンも多いと思うよ」
「ま、まじか…」
「そして皆フラれていくらしい」
「なんで?」
「それは分からない。好きな人でもいるのかなって噂はあるけどね」
「潤弥に好きな人…気になる…」
「あはは、双子でも知らないことあるんだね」
「そりゃ勿論!」
意外だと驚く友人に勢いよく次女は言い放った。
「まあ、悪戯好きなところも含めて潤弥君なんだもんね」
「しかし真桜はそれを受け入れられなかったと」
「いや、ちが……わなくもないけど」
「妹としては潤弥を大切にしてくれる人なら誰でもいいけどね」
次女の言葉に友人はまた驚き、笑った。
次女も次男の事を思っているのだと確認できて嬉しいようだ。
「真桜が潤弥と付き合ってくれたら私としては嬉しかったんだけどな~。どうして先生を好きになってしまったのやら…」
「ごふっ!」
「大丈夫!?今度はオレンジジュースでむせるなんて真桜も大変だね…」
「爆弾発言ばかりする友達を持ってしまったばかりにね…!」
ごほごほと未だにむせている友人を不思議そうに見ている次女。
「いつどうなって好きになったのかは知らないけど」
「…うん」
「私は真桜の味方だからね」
屈託のない笑顔で言い放つ次女に、ありがとう、と友人は嬉しそうに顔を綻ばせた。
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