佐々木兄弟のお買い物

第14話

今日は長男の運転で佐々木家兄弟5人揃って大型ショッピングモールへお買い物。




「ねえ、俺って必要?留守番でもよかったんだけど俺、必要かな?」


「何言ってるの、誠弥!皆でお出かけなんてなかなか出来ないんだよ!?」


「そうだけど…」


「誠弥、いいじゃん。偶には。誠弥の好きな物買ってやるから許してよ」


「雅君が言うなら」


「誠弥ってお兄には弱いよな」


「潤弥も誠弥を見習ってもう少し素直になりなさいよ」


「え、俺、素直じゃん。超絶素直じゃん?」


「どの口が言ってんのよ」




長女が助手席からうんざりしながら後部座席に座る次男に言うが全く聞く耳持たず。


それを3人は笑って聞いていた。



駐車し終えて皆一斉に車を降りる。





「よし、迷子になるなよ。特に潤弥」





長男は皆に呼びかけた。




「はあ?俺より純香だろ!」


「何言ってんの?私、お姉と手繋いでるもん。絶対に迷子にならないから」


「純香、手はやめて。腕ならいいわ」


「じゃあ、俺はお兄と腕組んどこ」


「潤弥、流石にそれはキツイ。俺がキツイわ」


「じゃあ、誠弥…」


「え、俺も無理」


「世知辛い!!」




嘆く次男を置いて四人はショッピングモールへ入った。



見目は麗しい5人が揃うと迫力は凄く、周りからの視線が凄い。


しかし、佐々木家兄弟はそんな事気にせず歩く。一人を除いては。




「ねえ、やっぱり俺、別行動でもいい?連絡取れたらいいんだし、いいよね?」




三男は隣にいた長男に問う。




「え?なんで?あ、どこか行きたいとこあった?ついていこうか?」


「いや、そう言う意味じゃなくてさ、皆揃ってたら目立つじゃん」


「そうか?」




長男の不思議そうな表情に三男は思わずため息が出る。




「まあまあ。純香も言っていたようになかなか皆揃って出かける事もないんだし、父さんと母さんのプレゼント買うんだから、今日ぐらいはね?」


「…………うん」




頷く三男に長男は微笑んだ。


そう、今日のお出かけは佐々木家の両親の結婚記念日のプレゼントを買いに来るという目的もあるのだ。




「ねえ、やっぱりペアの物がいいんじゃない?」


「間違いはないけど面白味が欠けない?」


「じゃあ、何がいいかな?」




女子2人が話しているのを男子3人は後ろから見ている。


こういう時は男の意見はなかなか聞いて貰えないという事を3人はよく分かっているのだ。可哀想である。




「でも、向こうにいる事が多いから無難に写真立は?家族写真撮って入れて渡すの!」


「あ、いいね。思うと写真立あげた事ないわね」


「お兄達はどう思う?」


「うん。いいんじゃないかな」


「俺もいいと思う。誠弥は?」


「いいと思うよ」




3人の意見を聞いて次は写真立選びに移る女子2人。


それに痺れを切らした次男は言う。




「写真立くらい俺らに選ばさせろ!」


「いいけど、真剣に選んでよね!」


「はは。潤弥様のセンス嘗めんじゃねえよ」


「嘗めてないわよ。心配してんのよ。早く選んで」


「っしゃ!まかせとけ!」


「なんでこの子こんなに気合入ってんの?」


「分かんない」


「多分退屈すぎたんだと思うよ」


「なるほどね」




次男が写真立選びをするのを長女と長男が監視している傍ら次女と三男は近くにあるベンチに座っていた。




「お腹空いてきたなあ」


「純ちゃんも?俺もお腹空いてきた」


「誠弥、何食べたい?」


「特には。食べれるなら何でも。純ちゃんは?」


「私はクレープ食べたいなあ」


「え、お昼ご飯じゃないの」


「お昼も食べたいけど今はクレープ食べたいな」


「……そっか」




次女の気ままさを改めて実感した三男。


暫くして、やっと決まったのか写真立て選びをしていた3人が出てきた。




「遅いよー!お腹空いた!」


「ごめんごめん。潤弥がなかなか悩むものだから」


「俺の所為じゃねえから!お姉からの承諾が得られなかっただけだから!」


「潤弥のセンスのなさには驚いたわ」


「俺も驚いたよ」


「はあ?お姉もお兄も可笑しいって」


「潤弥が可笑しい話は分かったからご飯食べに行こうよ~」


「あれ、純ちゃんクレープじゃなくていいの?」


「だって誠弥ご飯食べたいんでしょ?そっち先に行こう!」


「え、あ、うん」


「よし、じゃあ、食べに行こうか」




騒ぐ次男を無視して長男は次女と三男に言って佐々木家兄弟はフードコートへ向かった。

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