佐々木家の次女
第5話
学生にとっての魔の期間「テスト期間」を無事乗り越え、第二の試練「テスト返し」が始まった佐々木家の高校生組。
その内一人のテンションは凄まじく低い。
「ちょっと、純香。リビングで鬱なオーラ全開にしないでよ」
長女は珍しくソファーでぐったりと項垂れている次女に言い放つ。
「落ち込むなら自分の部屋で落ち込んでくれない?」
「嫌だよ…自分の部屋淋しいんだもん…」
「意味わからん」
「お姉、慰めて~」
「知らないわよ。なんでこの子こんなに下がってんの?」
長女は抱き着く次女を抱きしめ返しながら隣にいる次男に問う。
「テストで点が悪かったからだろ」
「そんなのいつもの事じゃない」
「純ちゃん、今回のテストで史上最低点取ったらしいよ」
「……は?」
三男の言葉に長女とその場にいた長男も思考が停止する。
「ちょっと待とうか。今までで一番低かったのって何点だったっけ?」
「私の記憶が正しければ15点だった気がするけど」
「15点より低い…?」
「…まさかじゃないわよね?」
二人が真っ青にした顔で次女に恐る恐る訊けば、次女は顔を上げて目を逸らした。
「…初めて0点取っちゃった」
そして苦笑いで言い放った。
「…0点?」
「な、名前の書き忘れとかではなく?」
「うん。ちゃんと名前も書いたし全部埋めたよ」
上の双子に訊かれそう答えた次女は更にどよーんと俯いた。
「純香…」
兄弟四人が救いようのない目を向ければ次女の目にはうるうると涙が溜まってきた。
「うわーん!なんで私だけ勉強できないのー!?ちゃんと勉強してるのにー!」
「それは…」
「なんでお姉もお兄も潤弥も誠弥も勉強が出来るのに私だけ出来ないの!?」
「なんでだろうな。俺ら一応血繋がってんだけどな」
「こら、潤弥。一応とか言わない。れっきとした兄弟です。がっつり血は繋がってます」
「純ちゃん割とテスト勉強してるのにね」
「あんたはどこをどう間違ったの」
「そんなこと私が一番知りたいよ!」
うわーんと未だに長女に抱き着いて泣く次女を四人はどう慰めようか必死で考える。
「純香、今度から勉強教えるよ」
「私も文系だけでいいなら教えるわ」
「ほら、清香もそう言ってるし、泣きやもうな?」
しゃくりあげて泣いている次女の頭を撫でながら長男は言う。
すると、次女はばっと身体を起こした。
それに兄弟四人は目を見開き驚いている。
「…お腹空いた」
そして次女は唐突に言い放った。そんな次女を見て四人はは少しだけ安堵した。
「はいはい。急いでご飯作るわね。今日は純香の好きなオムライスにしようか」
「そういや今日ドーナツ持って帰ってきたんだ。ご飯の後に食べよう」
「え、まじで?誰から貰ったの?もしかしてお兄が買ってきたのか?」
「違うわよ。学科の女子に貰ったんでしょ?」
「え、なんで清香が知ってんの…」
「風の噂」
「純ちゃん、俺のドーナツあげるね」
兄弟のちょっとした優しさに気づいて次女は照れたように笑った。
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