佐々木家の次男
第4話
「え!?は!?なにこれ!?」
風呂掃除をしようとした長女が何か叫んでいるのが聞こえ、リビングにいる兄弟四人は不思議そうに顔を見合わせた。
「ちょっと!誰がこんなことしたの!?どうせ潤弥でしょ!!」
怒鳴りながらリビングに戻ってきた長女を見た次男は一瞬考え、はっとした表情をした。
「あぁ!そうだ!洗うの忘れてた!」
「忘れてたじゃないわよ!なんか地味に泡が出ててびっくりしたわよ!しかもよく分かんない色してるし!」
「え、まだシュワシュワしてんの?」
「してんの?じゃないわよ!もう今日は潤弥がお風呂掃除しなさいよ」
「ほいほーい」
「今すぐよ」
「え、今、俺、ゲーム…」
「なに?」
「うぃっす」
長女の圧に勝てる訳もなく、次男は素直に風呂場へ向かい、残りの三人は不思議そうな目を彼に向けていた。
「潤君、また何かしたの?」
「いつやったのか分からないけど炭酸風呂みたいなの作ってたわよ。しかも苔みたいな色した水でね」
「え!炭酸風呂!?お肌にいいやつじゃん!」
「肌にはいいけど、あいつ何かの粉から作ってたわよ。脱衣所に粉ばら撒いてたわ」
「えぇ、それは凄い危険だな」
「でも成功したって言うならまた次にやってもらわないとね!」
「そうね」
「そうねって、清香さっきまで怒ってたんじゃないの」
「片づけしてなかったからね。でも炭酸風呂には入りたい」
「さっきから気になってるんだけど炭酸って作れるの?」
「作れるんじゃない?誠弥、興味があるなら潤弥に訊いてみたら?」
「潤君っていつも無駄なとこに頭遣うよね」
「この前は庭に落とし穴作ってたな」
「え、やっぱりあれ潤弥だったの?私嵌ったんだけど!」
「純ちゃんはよく潤君の罠に嵌るよね」
「穴が開いたままだと迷惑だから態々埋めたけど、潤弥の仕業だったなんて…!」
「律儀に埋めたんだね…」
「掘ってるときにメジャー持って深さも図ってたな」
「あの子は一体何を目指してんのよ」
兄弟四人が心配する中、風呂掃除を終えた次男が戻ってきた。
「すっげえピカピカにしてきたぞー。今日の風呂はいつもの何十倍も気持ちいいこと間違いなしだな」
上機嫌で戻ってきた次男は掃除に行く前に座っていた三男の隣に腰かけた。
「潤君、炭酸作ったの?」
「え?おぉ。クエン酸と重曹混ぜたらできるぞ」
あっさりと教える次男に感心する三男。その隣で次女は、
「潤弥!この前落とし穴作ったんだってね!」
そう怒鳴った。
「そうだけど、お前、まさかあれに落ちたの?ばっかじゃねえの?」
「馬鹿じゃないよ!お兄の代わりに洗濯物取り込もうとしたらいきなり足元崩れたんだよ!?びっくりしたわ!」
「でも、怪我はしなかっただろ?」
「は?え、まあ、うん。大きな怪我はしなかったけど」
「あの深さならまだ大丈夫だな……いてっ」
うんうん、と分析していた次男の頭を長男がチョップした。案外痛かったのか次男は頭をさすっている。
「全然大丈夫じゃないから。危ないから。落とし穴はもうするな」
「でもちゃんと計算したんだよ?」
「計算しても危ないだろ?」
「まあ、そうだけど」
「今度また危ないことしでかしたらお前の部屋にあるゲームデータ全部リセットするからな」
「ちょ、それだけは…!!」
「じゃあ、気を付けろよ?」
「…ハイ」
縮こまって返事をする次男は長男に弱みを握られてしまっているようだ。
「私、思うんだけど、お兄も割と怖いよね」
テンションの下がっている次男にこそっと耳打ちした次女に次男は深く頷いた。
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