佐々木家の長女
第2話
ある日の休日。
「潤弥、純香、部屋の掃除しろよ~」
長男はソファーで各々何かをしている下の双子にそう声をかけた。
「後でねー」
「そんなこと言っていつもしないだろ。ほら、今やって来な」
「今はお勉強中なんです~」
「純ちゃん雑誌呼んでるだけじゃん」
「ノンノンノン。誠弥君は分かっていないね。純香は今お洒落のお勉強中なのですよ」
「……へー」
「純香、お洒落の勉強は後でもいいだろ?」
「もう、お兄。何で私ばっかに言うの?潤弥だってゲームばっかしてるじゃん!」
「潤弥もほら後にして……」
「今無理!あとちょっとだから無理!!おりゃおりゃおりゃー!」
兄の言葉を押しのけてゲームを全力でする次男に下二人は白い目を向けている。
「え、潤君何のゲームしてんの」
「マリオって言ってたよ」
「マリオで『おりゃー』とかいう場面ある?」
「ほら、潤弥馬鹿だから」
「多分マリカーを『うおー』って叫びながらプレイしてる純ちゃんには言われたくないと思う」
「そ、そう言う誠弥の部屋はどうなのよ!」
「純香、誠弥が掃除しないと思うか?」
次女は矛先を三男に向けたがあっさりと長男に言葉を返された。
「……オモイマセン」
「ほら、早く掃除掃除。俺は洗い物したいんだよ」
「そんなに言うならお兄が掃除してよ~」
「そうだよ、お兄がやってくれた方が早いじゃん」
「私、お兄に見られて困るものなんてないしさ!」
「俺もそんなにやましいものないから大丈夫だ!」
「二人とも自分の事は自分でしないと…」
駄々をこねる双子に長男が困っていれば、どす黒いオーラと殺気をリビングにいる四人は咄嗟に察知した。
振り返れば、ダイニングテーブルに座っている長女がイライラした様子でこちらを見ていた。
「お前ら、いい加減にしなさいよ。自分の部屋くらい自分で掃除しなさいよ。雅弥もやることあるのよ。そんな事も分からないの?」
「「わ、分かっております」」
「分かってるならさっさと掃除してきな」
「「う、うぃーっす」」
長女に言われ、双子は大人しくそれに従い自分の部屋に向かった。
「雅弥もちゃんと言わないとあの二人は言うこと聞かないって知ってんでしょ?」
「うん、そうなんだけどさ」
「…まあいいわ。あー、お茶欲しいなー」
「はいはい。今淹れますよ」
苦笑いでキッチンに向かえば、三男も喉が渇いたのか長男の後ろについていきグラスを出して水を注いでいた。
「雅君でも清ちゃんには敵わないんだね」
「ははは、まあね」
「流石、女王様だね」
「あはは、そうだね。でも、清香がいないと佐々木家はやっていけないからね。あ、清香には言っちゃ駄目だよ。調子乗っちゃうから」
「言わないよ。雅君も大変だね」
「はは、そうでもないよ」
そう笑いあう長男と三男をソファーに移動して見ている長女は佐々木家の権力者と言っても過言ではないだろう。
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