再び彼に助けられる

第28話

学校の帰り。私はいつも通り人の多い駅に向かっていた。




「ねえ、今、暇?」




はい。今日も来ました。


最近声をかけられることがなかったから不意打ちでびっくりしたけど本当ここら辺多いな。


なんなの。皆暇なの?




「全然暇じゃないです」




それにいつも通り返せば、嘘だー、なんてへらへら笑っているチャラ男。



ちらっと顔を見る。


うん、イケメンでもフツメンでもない。


ただのチャラ男だ。好みじゃない。



なんて失礼な事を思いながら彼を無視して駅へ向かう。




「ね、学校帰りでしょ?絶対暇じゃん」


「……」


「あれ、無視?」




酷いなー、未だしつこく絡む男は無視してもついてくる。


はっきり言って気持ち悪い。




「あの、どこまでついてくるんですか」




駅入り口まで来たところで訊けば、え?、ととぼけた顔をする男。

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